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Distortion Life

ゲーム開発者つよがエンタメを思考したら発信するブログ

「ゲロッパ!」を観た感想は『関西弁は関西人に』だった

井筒監督の「ゲロッパ ! GET UP」を観ました。パッチギのプロモーションの時に監督は、「西田さんは天才だ。凄い。」と珍しく大絶賛していたものですから、期待の半分以上は西田敏行狙いです。あとは誰が出演しているのか知らない状態でした。その期待は、良くも悪くも的外れではなかったのですが。

基本情報

ゲロッパ ! GET UP スペシャル・エディション [DVD]

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感想

 組長に最後に喜んでもらいたいと願う組員が、たまたま来日中のJBを拉致する計画を立てて実行すると云う展開が最初のフックです。この組長は、大のJBファンなのです。タイトルの意味はそういうことなんですね。

 また日本国総理大臣の秘密に関わる情報を奪い合う抗争が偶然絡んできたり、組長の娘と知らずに惚れ込んでしまう組員がいたり、複数の物語が平行して進んでいきます。

 こういうタイプの構成は嫌いではないんですが、それぞれのエピソードのボリュームについてバランスが難しいところですね。全エピソードとも、ある程度はボリュームがないと「無くてもいいやん」と云うモノになってしまいますし、かと云って全て同じようなボリュームやとメリハリがなくなって主軸がどれだか判りにくくなってしまいます。

 ミステリートレイン、トレインスポッティング、呪怨、あたりのエピソード分割は割と好きです。まあ、ゲロッパの場合は、そこまでハッキリクッキリとエピソードを分けようとする向きはないようなので、あまり比較するのもおかしいのかもしれませんが、どうせならこのエピソードをもっと膨らませたら良かったんちゃうかなぁと思うトコもあったのです。

 あと、舞台が関西なので登場人物は基本的に関西弁を喋ります。ココが関西人にとって実は一番大きなキモなのです。物語そのものや映像作品として判断したい気持ちはやまやまでも、嘘関西弁が耳に飛び込んで来た瞬間に、作品に没入しかけた意識が簡単にウツツに戻されてしまうんですよね。

 だからいっそ、関西弁をちゃんと操れないキャストは、東京の人として登場してくれるほうが良かったりします。そう云う意味で、岸辺一徳、山本太郎、桐谷健太、藤山直美、あたりが画面に居てくれると結構安心できました。西田敏行にはもうちょっと頑張って欲しかったかなあと。決して悪くはないんですけどココという部分でイントネーションの怪しい関西弁が聞こえるせいで、もったいないなぁと思ってしまいました。

 とは云え、西田敏行は凄いです。表情、演技、存在感。この人が画面に映っていると重さが変わる感じがしますね。ズルいとも云えるかと思いますが、こういう人をキャスティングすると勝手にあるレベルまでは映画のテンションを保てるんやろなぁと思ったりしました。

 全体的にテンポ良くギャグを散りばめながらザっと通り過ぎていく作品です。個々の役者さんの能力が見所となってしまっているので、映画としてはまあまあ、でしたねえ。■■

written by つよ