Distortion Life

ゲーム開発者つよがエンタメを思考したら発信するブログ

「しんぼる」を観た感想は『自宅サイズならOK』だった

しんぼるを観ました。言わずと知れた第二回松本人志監督作品です。前作「大日本人」はDVDを借りて観ました。そして、劇場で観なくて良かったなと思ったのでした。作品が根本的に駄目だという意味ではなく、DVD作品として観たら丁度良いパッケージだと感じた、という意味です。

 まあつまり劇場作品としては見れなかったわけですが、今作はどう見えたか。ここからは平気でネタバレをしていきますので、観るつもりの人は読まないでくださいよ。

基本情報

しんぼる [Blu-ray]

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【商品内容】
想像もつかない“何か”が起こる。
松本人志 監督最新作「しんぼる」DVD発売決定!!

【ストーリー】
メキシコのとある町。家族と幸せに暮らすプロレスラー、エルカルゴマンはいつもと変わらぬ朝を迎えていた。
しかしその日、妻は夫であるエスカルゴマンがいつもとは少し様子が違うことを感じていた。
それは今日の対戦相手がひと回りも年が若く、過激で有名なテキーラ・ジョーだということだけではなく“何かが起こりそう”な妙な胸騒ぎを感じていたからだった。一方、奇妙な水玉のパジャマを着た男は目を覚ますと四方を白い壁に囲まれた部屋に閉じ込められていた。ここが何処なのか?なぜ男はその部屋に閉じ込められたのか?誰の仕業か?途方に暮れる男は、何とかその部屋から出ようと試みるが出口が見当たらない。壁に近づいて触れてみると、男の視線の先に“何か”が現れた…。

感想

序盤から、出来の良い映像と、テンポをコントロールしたネタフリの積み上げで、期待感を地道に煽って行きます。トレーラーで見ていた映像は殆どが最初の20分以内程度で消化したような気がしますね。

 物語の方向性は最初の20分程度で確定させて、観客に提示します。こんなルールの物語に乗っかってくださいね、と判りやすい演出で伝えられる感じ。あー今回はこういうテで進行させたいのな、と乗っかってみます。ビジュアルバムなどの松本映像作品で慣れ親しんだ見方です。

 この白い部屋に対する疑問はまず放置して観ればいいのだろうし、たぶん最終的にもこの白い部屋についての明確な説明がなされないことも想像出来ます。それもまあいいや、全然問題じゃないし。要は、このルールの上で展開される「ネタ」が面白いかどうかに尽きるわけですから。理不尽でもロジカルでも、面白いと感じる事が出来るか否か。

 答えは残念ながら否。んー。風呂敷を広げている間は面白かったし期待感もあったんだけどなぁ。エスカルゴマンの登場カットなどは、マもアングルもすげー映画的で良かったし、ちんこボタンを押す度にアイテムが入手出来るというルールは、荒唐無稽でありながら乗っかってみたくなる面白みを含んでいたし、材料は悪くなかったと思うのです。

 ビジュアルバムのネタの一つ「マイクロフィルム」の手法を思い出してニヤニヤしてしまいました。

 でもでも、嗚呼でも。着地点が結局ソコだったのか、と思わざる得ないのです。もっと馬鹿馬鹿しい不条理感で満たしてくれたほうが僕は気持ち良かったのです。政治や宗教、現代社会や通俗的な知識や空気など、そういった物を一切排したオリジナルの空気を期待していたのが、今回は裏目に出てしまったのかもしれません。全体としては、45〜60分尺の作品であったらもっとしっくり来たかもしれないなーと思いました。

 そういえば、技術の多用もちょっと鼻につきました。CGを使い過ぎなのは明らかでしたね。やっぱ使いたくなっちゃうのかなぁ〜。判りやすいCGの多用は、物語に入って行く為のマイナス要素にしかならないと思うのですが。

 あと、気にしてもしょうがないのですが、海外の人の目にこの作品はどう映るんだろうとも思いました。敢えて語らない空気の面白さは日本独特のものではないにしても、あの感じはなにかしら前提が必要な気がするので。

最後に

次回作以降はたぶんDVDでは観るかもしれません。なんとなく思うのは、松本人志の作品は、自宅で楽しむサイズの娯楽なのかもしれないなという事です。これは優劣の話ではなく性質の話として。今日はこのモヤモヤした感じを払拭する為に、ガキ使いのDVDでも観よう、うんそうしよう。■■

written by つよ