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Distortion Life

ゲーム開発者つよがエンタメを思考したら発信するブログ

「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」を観た感想は『珍しくキャラクタが良い邦画だなぁ』だった

映画 コメディ

劇場公開を見逃していたので、DVDを買いました。まあハッキリ言って永作博美出演に釣られた浅はかな動機でしたが、想像以上に面白かったのでラッキーです。

基本情報

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ [DVD]

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ [DVD]

 

うだるような夏の暑さに閉じ込められた山間の集落、とある日。和合(わごう)曽太郎とその妻・加奈子が、不慮の交通事故死を遂げた。両親の訃報を受け、音信普通だった澄伽が東京からふらりと舞い戻る。沈殿していた姉妹の関係はついに爆発炎上し、周囲の人々もその渦の中へと巻き込まれていく。

姉・澄伽(すみか)。豪華で可憐で強欲。女優を目指し、家族をシカトして上京するが、実は自意識過剰な勘違い女。「あたしは絶対、人とは違う。特別な人間なんだ。」

妹・清深(きよみ)。姉に怯えつつも冷めた目で観察し、罪悪感に苛まれながらこっそり漫画を描き続ける。「やっぱお姉ちゃんは、最高に面白いよ。」

自身の劇団「劇団、本谷有希子」を率い、三島由紀夫賞・芥川賞ノミネートになど、新進気鋭の女流作家としても注目される本谷有希子の人気戯曲が豪華キャスト・スタッフを迎えて初めて映画化された!

CM界で18年のキャリアを持ち、様々な広告賞受賞で知られる吉田大八監督が長編映画初のメガホンをとり、エゴ丸出しの姉に佐藤江梨子、その陰に怯えながらもしたたかな妹に佐津川愛美、家族の秘密の重圧に翻弄される兄に永瀬正敏、度を超したお人好しが哀れな兄嫁に永作博美を迎え、一触即発の人間関係を赤裸々かつブラック・ユーモアたっぷりに描く。

感想

基本的には、不幸話を軸に物語が展開すると云う「嫌われ松子の一生」的な話です。登場キャラクタの誰もがちょっと病んでおり判りやすい配置なので、すんなりストーリーに入っていけました。中盤までは不幸っぷりを描写するシーンが目白押しでほんのりシンドイのですが、最初から最後まで基本的に救いの無い話の割りにそれが観ていて苦痛という程でもなく、テンポもいいのでダレません。

きっと監督にユーモアのセンスがあるおかげでしょう。その巧さが鼻につくという見方もありそうですが、僕は素直に面白かったのです。

随所で、あまりにもコミカルな誇張を差し挟むのは、あくまで「お話」であることを印象付けているように見えます。この手の話は、「悲惨な状況に観客を同調させたいのか否か」と云う制作者の意図が曖昧だと、観終わった後に消化不良の気持ち悪さが残って場合によっては「ドンドン!金返せ!」的な気分にさせられる事もあります。「腑抜けども、〜」の場合はハナからジョークです。というか漫画です。その割り切りが潔い。

キャラクタ

佐藤江梨子が演じる、エニタイムフルスロットル・天然バカ女の、ムカつかせ方がイイです。嗚呼、こういうヤツいるやろな〜と思いました。自分の論理でしか物事を考えられない人間が傍若無人の限りを尽くして尽くして、「こいつの脳天に鉄槌を喰らわせてやりたい!」とウズウズさせられる演出が僕は大好きです。

また味付けは全然違うものの、永作博美演じる、無制限ポジティブ・貞淑女(自己愛の裏返し)もめえさめさ良いです。この映画で一番光るのはやはり永作博美の演技でした。この「ウザったい女」加減は、もちろん意図的に創っているのでしょうから凄い。ナニやっても怒らないという事のウザさったら。

最後に

女優陣の演技を見る目的だけでも結構楽しめると思いますよ。オススメ。■■

written by つよ