Distortion Life

ゲーム開発者つよがエンタメを思考したら発信するブログ

「METAL -a headbanger's journey-」を観た感想は『最高のファンムービー』だった

遅ればせながらやっと見ました。と最近よく云っている気がします。「METAL -a headbanger's journey-」です。ヘヴィ・メタルのドキュメンタリー映画ですね。まー見ておかんとあかんのかなぁ〜って感じで、割とニュートラルな気持ちで購入したのです。

基本情報

メタル ヘッドバンガーズ・ジャーニー [DVD]

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1986年、へヴィ・メタルは、世界で最も有名な音楽となった。
若者は髪を伸ばし、メロイックサインを振りかざし、脳みそが揺れるほどヘッドバンキングしながら、エアギターを弾いた。当然、大人たちはそれを疎ましく思った。批評家や議会は、メタルを野蛮な音楽と決めつけ、病的で不快、悲惨で危険と酷評した。メタルファンは生活水準が低く、将来性のない若者ばかりで、社会破滅の元凶とまで言われた。
「なぜ"メタル"は嫌われ、非難されるのか?」
30歳の人類学者であり筋金入りのメタルファン、サム・ダンは、長年にわたり文化の多様性を研究した経験を活かし、メタルの聖地であるLA、北欧、ロンドンなどを訪れ、メタルゴッドたちに体当たり取材を敢行。メタルとファッションカルチャー、風俗との結びつきから、ファンの生態、宗教との関連までを(バカバカしくも)真剣に調べ上げ、遂に隠されたメタルのルーツに肉薄する。

感想

メタルマニアの人類学者サムが、人類学としてHMをネタに論文を書こうとしたところ、旧友の映画監督にそそのかされて「ドキュメンタリー映画にしちゃおうぜ」と意気投合、理由がくっついてくればメタルの大御所に取材も出来るぜー的なノリで始まります。

 つまり、愛に溢れています。溢れすぎていいます。

 だから主張や分析において、微妙に説得力がない部分が混じってしまうのですが、同門のファンにとってはソコがむしろ愛おしく感じられて目を離さずには居られない作品でした。メタルファンには、部族的な意識があるのですね。

 少々おかしなことも云いつつ意外に本格的にHMを扱っています。音楽史的な位置づけはまぁ、散々語り尽くされてきた事ながら、若いファンやファンでない人達には判りやすいでしょうね。

 社会問題としてのHMや、キリスト教視点で見た時のHM、その他日本で普通にHMを聴いてるだけでは判りにくい背景を扱っているのは面白いですよ。サタニズムの本気度なんて、普通にCDだけ聴いてたら判らんモンですし。(大好きだったブラック・メタル・バンドDISSECTIONのメンバーが犯罪で投獄され活動中止のニュースを聴いてうーんショック、みたいな経験は普通ないはずですし)

 トニー・アイオミの落ち着いたジェントルな語り口は、もの凄く紳士的でなんだか嬉しくなってしまいました。トム・アラヤもめさめさええ人っぽいのです。云ってることはまともでヤってることは過激で笑顔がイかす、こういうおっさんにならなあきまへんで。

 メタルファンを説明する上で、思わず笑ったクダリがありました。

メタルファンというのは一度なったら死ぬまでメタルファンなんだよ。『そういえば、あの夏はスレイヤーを聴いてたなぁ。』なんて言うヤツは一人もいないんだ。

云われなければ本人は気がつかない事です。本当に当たり前にそうなんだよなーとしみじみしました。自分の事を異常に熱心なファンだとは思っていないのですが、聴くのを止めることはこの先ないだろうなぁとぼんやり思うわけです。

 メタルしか聴かないという頑ななファンも居てるんだろうしそれはそれでいいのです。しかし僕はまったくそんな気はありません。メタル以外にもたくさんいい音楽を聴きたいし好きになりたいと思っています。だって好きなものが多いほうが楽しいんだもん!退屈なんかしたくないんだもん!

最後に

ハハハと鼻で笑いながら、なんだかんだで時々観てしまう作品です。パロディやスキモノにしか楽しめない偏った作品ではなくちゃんとしたドキュメンタリーなので、メタルを聴かない人に観てもらいたいな、と思いました。■■

written by つよ