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Distortion Life

ゲーム開発者つよがエンタメを思考したら発信するブログ

「キングコング 髑髏島の巨神」を見た感想は『怪獣映画としては最高点の超馬鹿映画だ!少年は全員劇場集合な!』だった

キングコング。なんなんでしょう、この口に出すとなんともムズムズする単語。いやムズムズって云うか、萌え萌え、って云うか、わくわく、って云うか、ムラムラする単語。いえ欲情しているのでは決してありませんが、とにかく自分の中に潜む少年がばびーんと飛び出してくる感じには違いありません(僕はまーまー飛び出しがち)。

 うれしい事に、名作キングコングが何度目かのリブートを果たして帰ってきてくれました。さて出来栄えはどうだったのか。ネタバレを厭わず好き勝手書きますので、ご覧になられる予定のある方はご注意くださいませ。

基本情報

キングコング: 髑髏島の巨神 - Wikipedia

感想

トレーラの時点でヤバいなとは思っていたんです。画面から漂う馬鹿臭の気配を僕は鋭敏に察知していました。何より、サミュエル・L・ジャクソンのキャスティングがその心根を物語っています。

 誤解を恐れずに書きますが、サミュエルは馬鹿映画を制作する上で必須の存在です。彼が画面に映るのと映らないのとでは、作品の馬鹿臭濃度が、確実に 違ってくるんですよ。

 もちろん褒め言葉です。

 サミュエルはつまり、「途方も無い絵空事」のアイコンと云えます。彼の登場はこれから巻き起こる、巨大な嘘っぱちの開幕ファンファーレ。当然ながら、大きな嘘っぱちを展開するには、それに負けないキャラ立ちや、問答無用の存在感が必須でしょう。じゃないと、嘘が成立しないワケです。

 たった2時間だけ信じる事が出来る嘘ってのが映画の本質ですから、サミュエルは映画の本質と云っても過言ではいや云い過ぎました!さーせん!でもそれくらいに本作品においても、とても重要は役者さんであった事は間違いないと思います。

怪獣表現の到達点

近年の怪獣表現は、ここに来て目覚ましく進化していますよね!「パシフィック・リム」、「ジュラシック・ワールド」「シン・ゴジラ」、など、それぞれ方向性は違えど独自の怪獣観を展開/表現して、高い評価を獲得しています。

 申し遅れましたが、僕は怪獣が大好物なんですよ。うすうす勘付いてておられたかもしれませんが。

 本作品は、世界中の怪獣ファンに向けたドヤ映画でした。

コングの造形と解釈

先ずはコングの造形、デザインが最高でした。これまで作られたどのキングコングよりも筋肉質です。体型そのものもより人間に近い印象で、腕がやたらに長い本来のマウンテン・ゴリラのようなものではなく、パワー系のアメコミキャラのようなシルエット。ジャガーノートとかヴェノムとかああ云う系ね。

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 ☝僕の大好物「ジャガーノート」

 立ち姿もむっさカッコ良くて、類人猿特有の前傾姿勢とかやりません。超直立。こんなの獣じゃねえよ!と怒るのはお門違いと云うヤツです。

 これは獣タイプの怪獣です。

 このコングがまあ、動く動く!歴代猿型怪獣でダントツの機動力じゃないでしょうか。ロングジャンプからのハンマーパンチは超テンションアガります。しかも大木を武器として振り回したり飛び道具として使ったりと、パワー系でありながら知性的なバトルを展開するのですから、タマリマセン!

 勝てる気が全くしない圧倒的強さ。

 不自然な程無敵ですが、んなこたぁーイイんです。怪獣ですから!冒頭で、数機の完全武装軍用ヘリを相手に、大木ミサイルで奇襲をかけてからの、大破壊アクションはこの作品の見どころの一つです。

 ポイントは「物理一択」って事です。

 これ以上の説明はいりますまい。コングが見せる「怒りの鉄拳」に、血が滾らない漢(おとこ)がおりましょうやいやいません。軍用ヘリの兵器を使う間もなく、次々と撃破していきます。

コングの対立軸はやはりサミュエル

物語は、その大破壊をなんとか生き延びた人々のサバイバルに転がっていくわけですが、そこでサミュエルの復讐劇もまた、開幕です。

 「こんのボケが……っ!絶対、滅っ茶苦っ茶苦しい思いさせて殺したるからなっっ!!!絶っっ対やからなっっ!!!!!」

 そんなセリフはありませんが、サミュエルの目がそう叫んでいたのを僕は聞いた、ような気がしなくもないかもしれません。ともかく、ここからサミュエル演じる軍人は、部下の危険を顧みず、とことん自分の復讐心に従ってコングを追い詰める事だけに執着していくんですね。

 この病的な演技が秀逸です。

 やー。やっぱハリウッドの鉄人と云われてるだけの事はあるわなー、あ僕に云われてるだけですけどね。

 しかしこの映画、サミュエルと云う最高の当て馬を投入しておきながら、更なる脅威をバカスカ投下してくるのです。

怪獣の無駄打ちが馬鹿でイイ!

とにかく無駄打ちなんです。トレーラーにも登場していますが、超巨大毒蜘蛛(超足長)や、超巨大ナナフシ(ぽい昆虫)、超巨大水牛(ぽい牛的哺乳類)、などは、物語の進行に一切関係がありません。

 ま、世界観を説明する為に必要だと云われれば確かにそうですが、僕はそういった意図でこれらのシーンが挿入されたのだとは感じていません。

 作りたかったから、じゃね?

 はい、絶対にそうです。でーっかい生き物を出したかったから出した、んですきっと。物語における必然とか、辻褄とか、馬鹿映画の前では無粋な戯言に過ぎません(フッw)。ビッグバジェットだからと云って「わしの作りたいシーンを作るんじゃい!」みてーな動機で作ってはいけないなど、誰が云いましょうやいや云いません。

 とにかく、この島は危険である!という事実を表現するには明らかに過度で過多な物量の怪獣(ぽい生き物)が登場しまくりです。

娯楽的要素を一々に配置しているのが馬鹿でイイ!

ここまで書いて、人間側の主人公はサミュエルだと思われた方が多い事かと思います(僕自身もそんな気がしていました)が、実は主人公は別で存在しています。

 しかも無駄にイケメン。

 誰あろう、MARVELシリーズの「ロキ」役で人気俳優に駆け上がったトム・ヒドルストンです。

 大破壊の舞台となる髑髏島(ネーミングセンス200点)に向かう前に、地図もないジャングルを散策する上で必要な人材、つー触れ込みでスカウトされるのが彼です。なーんか過去に軍人として華々しい経歴があって、まー「デキるやつ」として登場するんですね。

 そして傭兵として雇われるんですが、要求する額は提示額の5倍。おー云うねー。

 「地図にないような場所に行ったら、どんな毒虫やらウィルスやらがどれっくらいおるのかも判らなんやないかぃ、お前自分で云ってる事判っとんの?5倍や5倍、それやないとわしゃ行かんでえ」

 うろ覚えなので若干の違いはあるかもしれませんが、概ねそんなセリフを云い放ちます。

 しかしですよ。

 そんな経験豊富ぽい事で脅かしておきながら、いざ髑髏島についたら、彼だけが半袖Tシャツなんですよね。

 「ヤバいって自分で云ってたやん!w」

 なんて突っ込みは無粋ですよ。だってカッコいいんだもの。カッコいい男はTシャツ1枚でジャングルに行っても、虫に刺されたり蛭に血ぃ吸われたりしないのが世の常です。

 ちなみにこの一行に同行する女性カメラマンに至っては、ノースリーブでわけの判らん虫がぶんぶん飛びまくってるジャングルをがしがし歩き回ります。

 馬鹿映画最高。

 そしてここが重要なのですが、彼の役は物語上大して重要な役割がないんですね。まあ敢えて云うなら、キノコの生えっぷりから「近くに川が流れてるぽいよ」って事をチーム知らせた事くらいでしょうか。

 いや、マジで大して意味ないですから。

 つまりは、女性客に対するサービス精神だと思うんですね。いくら筋肉質でカッコいいとは云え怪獣のコングや、復讐心メラメラのサミュエルでは流石にご婦人方の満足は得られまいと、イイワケのような意味合いで設置されたセーフティネット・キャラクタだったんじゃないでしょうか。ホラー映画の無駄エロみたいなモンだと思えばいいのかもね!

 とにかく無駄にカッコいいですよ。

馬鹿映画とは

今更ながら最後におさらいしておきます。文中、散々馬鹿馬鹿書きましたが、もちろん蔑んだ意味は全く含んでいません。これはマジで含んでいません。

 便宜上、「馬鹿映画」と云うラベルを利用しているだけで、「作っている人が馬鹿」とか「出演している人が馬鹿」とか、ましてや「劇場までノコノコ出かけて観た人が馬鹿」などでは決してありません。

 じゃあどういう事か。

 この場合の馬鹿とは、「コングが強い事に理由などない」と云う部分ですね。理屈や伏線、バックストーリーなどのしゃら臭い小技が一切ないとでも云いましょうか。コングは度々窮地に立たされ、致命傷とも云える大打撃を何度も喰らうのですが、その度に怒りに満ちた「にらみつけ」によってエネルギーを120%充填し、ただ理由もなく立ち上がるのです。

 「立ち上がったら勝ち」

 馬鹿映画の多くに共通している不問律がこれです。ナパームによる丸焼き攻撃を受けたら、普通の野生動物はまー死ぬんですが、コングは理由もなくただ立ち上がり、超にらみます。

 だから勝ったんですね。

 対比として、サミュエルもかなりの回数にらみをきかせますが、最後はあっけない死に方で退場してしまいました。

 怪獣映画はそうでないとね。

最後に

いやー。随分褒めちゃったなー。もしも観てないけど読んじゃった、と云う方がいらっしゃったら、今からでも遅くはありません。劇場に向かってください。自分の中の少年んがばびーんと飛び出してしまう事請け合いですからね。■■

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written by つよ